血液培養からStaphylococcus aureus

本日の相談

フォーカスのよくわからない感染(肺炎、尿路感染?、もしくは子宮留膿腫の感染?)の人にセフトリアキソンを投与中であるが、血液培養4本中2本からグラム陽性球菌が検出され、本日それが、MSSA(黄色ブドウ球菌)であるとわかった。今後の抗菌薬はどうしましょう?、という相談。

血液培養から黄色ブドウ球菌が出た場合パッと思うこと

コンタミネーション(汚染)か本物か?・・・MSSAが出た場合は、本物(真の感染症起炎菌)として原則考える。

血液培養陰性の確認が必要

投与期間は経過が良くても血液培養陰性から2週間か、それ以外は投与期間4週間以上必要。

フォーカスはどこだろう?・・・自身の経験ではカテーテル感染、化膿性関節炎、骨髄炎などが多い。フォーカスに問題があればカテーテルの抜去やデブリードメントが必要。

一般的な感染フォーカスは?

皮膚から関連して血流にのって、時に色々な所にくっついて感染を起こすイメージです。

  • なんらかの人工物(カテーテルなど)が入っていることによる感染。
  • 皮膚から関連する感染。
  • 肺炎(ただし、人工呼吸器つけているような)。
  • しかし、3分の1は不明で、遠隔病変に注意が必要=血流にのって飛んで行った結果、感染性心内膜炎や骨髄炎などありえるかもしれない(心雑音がないかや腰痛がないかなど大事)。

抗菌薬は?

MSSAであれば、ほとんどの抗菌薬の感受性はSになると思います。

で、抗菌薬適正使用の原則に基づいて、日本では一番スペクトルが狭いセファゾリンが通常の選択肢になります(アメリカではブドウ球菌用のペニシリンがありそちらが第一選択)。菌血症ですから、腎機能正常であればサンフォード量の1回2g1日3回が妥当な所でしょう。

抗菌薬の投与期間は?

血液培養の陰性化確認後、最低14日、多くは4~6週と書かれていることが多い(感染性心内膜炎の場合は6~8週間)。

14日でOKな条件

  • 心内膜炎が除外されていること(心エコー)。
  • カテーテル感染の場合は速やかに除去されていること。
  • 血管内に人工物がないこと(例:人工弁、心臓器具など)。
  • 最初の血液培養から2~4日後に採取した血液培養が陰性であること。
  • 治療開始(抗菌薬開始&感染源除去)後48~72時間で解熱。
  • 骨髄炎など遠隔病変を示すエビデンスがないこと。

14日でOK、というためには結構条件多いな、と思います。

どうなったか

抗生剤はセファゾリンにDe escalationし、陰性確認の血液培養を採取、経胸壁ですが心エコーしました。血液培養は陰性、心エコーも疣贅なし、腰が痛いとか皮膚感染もなく、もともとデバイスもなし。ということで、フォーカスは不明です。結果、トータル4週間点滴でセファゾリンを投与して終了となりました。

黄色ブドウ球菌の菌血症でフォーカス不明は往々にしてありえるが、調べることは調べとかないといけない!。治ったように見えて、骨隨炎という形で再燃し、アンプテーションが必要など、さらに厄介になることもあります。

taku

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


コメントする