ダプトマイシンはMSSAに良い選択なのか?

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本日の相談

透析の人だが、点滴が大嫌いな人で、シャント感染、黄色ブドウ球菌菌血症、血液培養4本でグラム陽性球菌が出ていたので、本日までバンコマイシンで治療していたが、MRSAではなくMSSAとわかったので、ダプトマイシンを使いたいと主治医の先生から相談。

ダプトマイシン?!。MRSAならわかるけど、MSSAで?。確かに透析の日だけで良いというメリットはあるが・・・。

現在の問題点

透析患者さんの、MSSA菌血症(おそらくシャント感染だが化膿性脊椎炎かもしれない)、毎日点滴できないキャラクター。

ま、もし腎機能正常で、普通に治療できたら、透析患者さんなので、セファゾリン1回2g1日1回一択でしょう。


しかし、それができない状況なので、主治医の先生は透析日だけ投与でいいダプトマイシンどうだろうか?、という相談です。

ダプトマイシン vs 標準治療

ダプトマイシン vs 標準治療で非劣性であった、という文献があった。

  • P:心内膜炎ある人ない人をいれた、黄色ブドウ球菌菌血症の患者
  • I:ダプトマイシンを投与した患者
  • C:標準治療(ゲンタマイシン+ペニシリンまたはバンコマイシン)
  • O:治療終了後42日後の治療成功率

対象となったのは、18歳以上で、試験薬の与開始前2暦日以内に1回以上の血液培養でS. aureusが陽性となった患者です。クレアチニンクリアランスが30ml/min未満の患者、骨髄炎、複数菌菌性菌血症、または肺炎を患っている患者は除外されています。

ので、透析患者はこの文献にはあてはめにくいですが・・・。


主要アウトカムは、42日時点での治療成功率で、結果は、非劣性を達成した。有意差はないが、ダプトマイシンはMRSAでは標準治療より有利な傾向があり、腎機能悪化も少ない傾向があったという話ですが、MSSAに限ってみると、標準治療の方が有利な結果になっていました。

透析の日だけでセファゾリンで治療できる?

セファゾリンの透析患者の投与量は毎日1回2g透析日は透析後です。この方は透析日にしか注射できないという条件です。
レトロスペクティブな研究ですが、透析日のみの高用量セファゾリンがブドウ球菌菌血症に有効であった、という文献がありました。

  • P:シンガポールの病院で、無尿のHD患者でMSSA菌血症の患者
  • I:HD日のみセファゾリンを2gまたは3g投与した患者
  • C:クロキサシン1日4回点滴した人(量は幅あり)
  • O:30日後の死亡率と、再燃

入院後48時間以内に血液培養が陽性になった患者で、21歳未満、入院後2日以内に死亡した症例、複数菌または非MSSA菌血症の症例、初期に1gのセファゾリンを毎日投与された症例は除外されています。
人数が14人対13人でかなり少ないですが、死亡率も、再燃率も差がなかったとのことです。
3人で白血球減少や、スティーブンジョンソン症候群があり、いずれも3g投与であったというのが少し気になったので、この文献を参考にするなら、3gを短期間で、長くなるなら2g投与が良いかなと思いました。

結局どうなったか?

MSSAとわかっていて、ダプトマイシンはちょっとないだろうと主治医と話して、セファゾリン2g透析後と、非透析日はケフラール2C分2で対応してもらうことになりました。しかし、メインはシャント感染なので、人工血管を入れ替えて、作り直すことが一番大事になりそうです。

taku

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