メロペネムが入荷しない?!
本日の事件
いつものように仕事をしていると発注担当者から連絡があり、メロペネムの納入が厳しくなるかもしれないとのこと。え、やばくない?。
最近はどの薬も入らなくなる可能性あり
メロペネムが入らなくなった理由はジェネリックを作ってる会社のうちの一社がなんらかのトラブルで出荷停止→その分他社に殺到→なくなる、という最近よくある構図。最近こんなことばかりで私たちもあまり驚かなくなってきている。
薬がなくなる原因は毎回少し違う。
①原薬不足、②品質管理の違反、③(コロナなどで)需要の極端な増加などが挙げられる。今回のメロペネムは①にあたるようである。
現場でなんとかするしかない
国も医薬品安定供給支援事業で対策を打とうとしているが、すぐになんとかなるわけではなさそう。。というわけで、当面は現場で考えてやらねばならない。
今回のメロペネムがないのであれば、
- ほかのカルバペネム系は入らないか
- ほかの抗菌薬でなんとかする
- メロペネムは使ったとしても短期で
この対応法しかないかなと思います。それぞれについて検討しました。
1.ほかのカルバペネムは?
ドリペネム、ビアペネム、イミペネム。
問屋さんに聞いたところ、イミペネムは入りそうなので、採用となりました。二本立てです。
2.ほかの抗菌薬は?
カルバペネム系といえば、グラム陽性から陰性菌、嫌気性菌と超広域にカバーできる薬です。他に代用できるものといえば・・・。
タゾバクタム/ピペラシリン・・・ただし、ESBL産生菌にはカルバペネムより苦手。
セフェピム・・・ESBL産生菌と嫌気性菌はカルバペネムより苦手。嫌気性菌はクリンダマイシンやメトロニダゾールを追加すればカバーできるかもしれない。
レボフロキサシンなどキノロン系・・・ちょっと耐性菌が増えているので一剤じゃ役不足かも。
イミペネム/レレバクタム・・・カルバペネム耐性菌用。これ普通の感染に使うのはやりすぎちゃう?。
3.メロペネムは使ったとしても短期で
そもそもメロペネムは長く使う抗菌薬ではありません。
感染症で入院してきた人がいたとして、その感染症の原因菌を推定し、調べている時間がないくらい状態が悪い時に超広域に抗菌薬の使用して、原因菌が判明または推定され、状態が落ち着けば、狭域の抗菌薬に変更するのが抗菌薬適正使用です。
ただ、現実的には、原因菌がわからない&状態悪いままの人がいて、長々と使ってしまうケースがあり、結果長期になってしまうこともたまにあるのですが、これはASチームで介入&経過観察をしっかりしてほかの抗菌薬に変更するや一旦中止するなどの検討をすすめていく必要があると思います。
まとめ?
メロペネムやカルバペネム系をずっと使わないといけない感染症はほとんどない!、はず。