菌血症後下痢

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本日の相談

前回記事の、80歳代で腎盂腎炎による菌血症で、培養は血液培養からESBL大腸菌、エンペリックにタゾバクタム/ピペラシリンで5日間治療していたが、点滴拒否があり、ミノサイクリン内服で仕方なく治療中で総投与期間7日目の方。どうも、経過が芳しくない、との相談。

状況を確認

熱は37度くらいで横ばいである。80歳台にしては高めな感じ。炎症を示すCRPはあまり上がってないが、白血球が下がり傾向であったのに、やや上昇し9000に。看護記録を見ると、最近泥状便ありと書かれていて、1日3~4回でている様子。

菌交代して、別の菌が悪さをしているなら、もっと大きな発熱や白血球の上昇、バイタルの変化などがあってもいい。腎盂腎炎でESBL大腸菌が起炎菌とわかっているのだから、簡単には抗菌薬を変更したくない。そもそも点滴拒否している方なのだから、耐性菌に対する抗菌薬の選択肢が乏しい。

考察

  • 何もしないで様子見・・・にしては、何か悪さをしているようだ。
  • 抗菌薬をescalation・・・ESBL大腸菌が起炎菌なのだから、次の選択肢はメロペネム?。でも点滴拒否だし・・・。
  • 下痢はしているので、CD腸炎検査・・・これはやっておいてよさそう。
  • 感染以外の発熱・・・偽痛風や薬剤熱、深部静脈血栓症→下痢と白血球の上昇を考えると合わない気がする。

ということで、まずは抗菌薬はそのまま内服のミノサイクリンで、CD腸炎の検査をしてみることになりました。この検査はすぐに結果がでます。

どうなったか

CD腸炎検査は・・・CDトキシン+、CD抗原+でした!。

これは、CD腸炎確定的です。白血球が上がって、微熱、下痢があるという症状とも一致します。
WBC ≦ 15000かつCr < 1.5 mg/dLであったので、軽症との判断で、まずはメトロニダゾールが開始になりました。その理由は以前書いた通りです。

メトロニダゾール開始3日後に、食欲不振の症状がみられたので、メトロニダゾールが原因の可能性を考えて、バンコマイシン散に変更した所、徐々に食欲も戻り、下痢や熱型も改善しました。ミノサイクリンについてはできるだけ早く終了するのが望ましいのですが、菌血症のこともあるし、主治医の先生と相談し、合計で14日間投与し中止。その後、バンコマイシン散のみでメトロニダゾールと合わせて10日間で治療完了となりました。

まとめ

抗菌薬投与中の下痢や熱は、ASTとしてはCD腸炎の疑いは外せないのではないでしょうか。

taku

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