レムデシビルの投与方法

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レムデシビルとは

レムデシビル(商品名:ベクルリー)は、ギリアド社から出ているCOVID19に効果があるとされる抗ウイルス薬です。まだ有効な薬のない新型コロナウイルス感染症において、症状改善が早くなる可能性が示されている薬です。

レムデシビル投与の実際

初日1日1回200mg投与します。2日目からは1日1回100mgで、基本的に5日間投与。重症例などケースバイケースで最長10日までとなっています。

1Vにつき注射用水19mlで溶いて、よく攪拌し、2,3分静置後、透明の液になったことを確認してから、生食25~250mlに混合して投与、となっています。私の職場では生食250mlの採用がないので、100mlを主に使っています。

実際電子カルテでは、下記のようなオーダーにしています。

初日

レムデシビル 200mg
注射用水 38ml
生食   60ml     を30分で

2~5日

レムデシビル 100mg
注射用水 19ml
生食 80ml       を30分で

  • 1バイアルにつき注射用水19mlに溶解し、30秒攪拌し、2,3分静置してから生食に混合
  • コアリングに注意する

    

コアリングに注意する

私はすでに2件コアリングを体験しました。コアリングとは、針でバイアルを刺した時にゴム栓のゴム部分がちぎれたりして薬液の中に入ってしまうことをいいます。患者さんの体内に投与するものですから、見逃してはいけません。

メーカーに確認すると、20か21ゲージの細めの針での調整を推奨されました。また、ベクルリーの調整法の説明書にも、バイアルに対して垂直に針を刺すように書かれています。貴重な公費で賄われている薬ですから、この辺りはしっかり注意喚起して慎重に調整しなければいけないと思います。また、病院によっては薬剤師が全部混ぜているところもあるそうです。

レムデシビルの投与時間は短いほどよさげ

レムデジビルの作用機序は活性代謝物が、ウイルスの転写・複製を担うポリメラーゼの機能を阻害してウイルス増殖を抑制するのですが、その活性代謝物の濃度が75㎎30分で投与した方が、150㎎2時間で投与したよりも高くなったことから、短時間での投与の方がよいのではないかと考えられています。

ローディングも大事

この薬のように最初だけ200㎎とちょっと多めにいくことを、ローディングをかける(負荷投与をかける)、と言います。抗菌薬や、プラビックスなんかでこういう使い方しますが、最初に多めにいれて、定常状態への到達時間を短くしているのです。感染症は菌やウイルスとの戦いですから、早く武器(抗菌薬や抗ウイルス薬)が有効な濃度に達しないといけません。レムデシビルの活性代謝物は半減期が35時間もあるので、100㎎1日1回投与だと、定常状態になるには5日近くかかるそうです。コロナとの戦いに遅れは時に致命的です。ローディングを忘れずにいくことも大事です。

※薬とは1回投与して効果を発揮するのではなく、何日か投与して効果を発揮するものがあります。その効果を発揮する状態になった時を、定常状態といいます。

腎機能が悪い患者には?

Ccr30ml/min未満では有益性投与となっています。

腎障害が懸念される理由として、賦形剤のsulfobutylether-β-cyclodextrinが悪影響を与える可能性が考えられていますが、含まれている量が少ないことと、レムデシビルの投与期間が短いことから、ほとんど問題にならないのでは、と以下のレビューには書かれています。https://aac.asm.org/content/65/1/e01814-20#ref-54

また実際に、ほとんど通常量で投与して忍容性があったという報告もあることから、COVID19による酸素が必要な肺炎になっている患者では、有益性投与という判断にとなることが多くなるのではないでしょうか。

まとめ(レムデシビル投与の実際)

  • ローディングを忘れない
  • 投与時間は短い方が代謝物のAUCが大きくなるので有利かも
  • 調整時はコアリングに注意する
  • 腎機能が悪ければ有益性投与ということになる

       

taku

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