抗菌薬がやめれない!

本日の相談

デイサービスを利用している方が誤嚥性肺炎にて入院し、タゾバクタム/ピペラシリンで治療している。採血データで白血球やCRP、バイタルは改善しているので、De escalation しようと思うが、何が良いでしょう?、という相談。

状況

普段はデイサービスを利用している90歳台の方。薬は利尿剤と便秘薬くらいしか飲んでいない。タゾバクタム/ピペラシリンで治療開始となり、CRPも30から5にまで改善、37度台の微熱はあるが、呼吸状態も改善傾向にある。喀痰はGeckler5の痰から、口腔内連鎖球菌とMSSAが出ている。市中肺炎か誤嚥性肺炎、といった所か(画像的には右下白くって誤嚥っぽい)。

提案


直近90日に入院はなかったので、緑膿菌やESBL産生菌の関与はなさそうであったが、腎機能がやや悪かったので、スルバクタム/アンピシリンではなくセフトリアキソンを提案した。

このまま治って退院できれば一件落着なのだが、弱っている高齢者の場合はそうは行かないときもしばしある・・・。

その後(状況悪化)

その後CRPと白血球はしだいに増悪。

De escalationを提案しておきながら、悪化するとASTとしてはちょっと残念です。が、主治医との信頼関係ができていれば、お前のせいで悪くなった!、なんていわれることはありません。

状況的には、再度誤嚥が一番疑われたので、ESBL産生菌や嫌気性菌を狙えるミノサイクリンになりましたが、それでも悪化はとまらず、いったん培養を取り直して、切り札であるメロペネムでの対応となりました。

メロペネム変更後経過は改善。
・・・セフトリアキソンやミノサイクリンが効果ないとなると、緑膿菌とか関係していたのかな~、それとも抗菌薬のせいではなく単に感染が悪くなったり良くなったりっていうのを見ているのか?と思いつつフォローして見ていました。

ただ、そのまま一件落着とはいかず、メロペネム投与下で7日後に再度増悪があり、主治医の先生と相談。菌交代を疑って喀痰培養を再度採取し、新たなフォーカスチェックでいったんCTをとってもらうことになりました。

もし、菌交代であれば、メロペネムの効かない菌→MRSAや多剤耐性菌?を考えなくてはいけないし、今までの経過から単に感染が良くなったり悪くなったりしているのなら、このままメロペネムでも改善してくる可能性は考えられる。

その後②

CTは再度誤嚥性肺炎像を認めつつ、今度は腎の毛羽立ちもあり、腎盂腎炎の可能性も考えられると結果が返ってきました。バルーン留置され、抗生剤はどうするか、という所で再度話し合いましたが、グラム染色でMRSAやコリネバクテリウム、腸球菌などがたくさんみられなかったので、患者の状態がまだ少し余裕あったこともあり、翌日の採血で悪化していなければ、メロペネム継続となりました。

結果、翌日の採血でやや白血球、CRPの低下がみられ、メロペネムをキープ。その3日後の採血で、さらに改善。培養は結局何も生えなかったので、これは耐性菌とか抗菌薬云々ではなくて、バルーン留置が一番効果あったのかもしれない、となって、抗生剤はピペラシリンにいったんDe escalation→その後終了となりました。

まとめ

誤嚥性肺炎で入院→誤嚥を繰り返すはありえるし、そのまま別の感染である尿路感染や、CD腸炎、感染ではない偽痛風など炎症疾患の可能性もあり、こういう場合の抗菌薬適正使用は難しいです!。

taku

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