白血球が下がり切りません

本日の相談

心不全で入院後、退院しようとしていたが、突如発熱あり、尿路感染の可能性を考えてセフトリアキソンを現在10日間使用している。CRPは下がってきているが、白血球が上がったり下がったりで、抗生剤を今後どうするか悩んでいる、との相談。

状況を整理

80歳台後半の女性、心不全で入院し、退院のめどがついたものの、突如発熱、脱水あり抗菌薬開始。10日目の現在でCRPは継時的に下がって、1台。しかし、白血球は一旦8000台まで下がった後、再度上昇している。現在、熱は36度後半から37度後半で経過。尿検査は、菌量や白血球は減少していたが、再度上昇し、現在は低下傾向にある。最初の発熱時にとった血液培養からは何も生えず、尿培養は(抗菌薬開始翌日であった)何も生えていない。

考察

こういう場合、まぁ医者じゃないので診断するわけじゃないが、相談されているからには、自分なりの視点や分析が必要と思う。
抗菌薬選択は、患者背景の整理、フォーカスについてめぼしをつける、そのフォーカスが好きな菌をターゲットに抗菌薬を考える、のが原則です。

患者背景・・・ 寝た切りの入院中の患者、つまり院内感染。CV感染の可能性なし、肺炎でもなさそう、バルーンがあり尿路感染の可能性はあり、褥瘡はなし。

・・・となると、尿路感染かも・・・となると、腸内細菌。入院中なのでESBL産生菌の可能性を含む。

抗菌薬・・・現在投与中の、セフトリアキソンではESBL産生菌をカバーできない。

・・・であれば、バルーンが入っているので尿路感染を繰り返しており、セフトリアキソンではカバーできないESBL産生菌はその他グラム陰性桿菌がいるのかもしれない。

どうなったか

自分の考えを主治医に話し、尿培養を再度採取後、セフメタゾールかホスミシンを選択どうかと推奨した。

セフトリアキソンとセフメタゾールだと違いはESBL産生菌と嫌気性菌にセフメタゾールが活性があるくらいの違いである。現在の抗菌薬が効いていない可能性があるので、腸内細菌以外に、腸球菌や緑膿菌もカバーできる可能性があるホスミシンはどうかと考えた(当院でESBL産生E.coliにホスミシンの感受性は90%以上ある)。

その後

尿カテーテル交換の指示が出て、交換後、抗菌薬はホスミシンが選択となり、経過はCRPは低いまま、ゆるやかに白血球も低下。尿培養は結局陰性で、そのまま1週間ホスミシンを投与していったん抗菌薬終了となりました。

培養が陰性ということは、セフトリアキソンでもカバーできていたのかもしれません。なので、またセフトリアキソンに戻しても大丈夫であったかもしれない。でもまぁ、10日間もセフトリアキソン使ってまた白血球とか上がってきていたのだから、ここはもうホスミシンで押し切るのが良いだろうと思って、そこからの変更は特に話し合いませんでした。

今回は感染症フォーカス、起炎菌などの確定には至りませんでしたが、結果オーライで。こういうこともよくあることです。

taku

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