血液培養からESBL、さらに先行抗菌薬で発疹

最終更新日

Comments: 0

本日の相談

週末に患者が発熱したので、カテーテル感染などを疑って、CV交換後に第四世代のセフォゾプランが開始になった方。週明けの本日、発疹が出て、なおかつ血液培養でESBL大腸菌が検出されいる。抗菌薬はどうしよう、とのことで相談。

状況を整理

療養病棟で長期入院中の脳梗塞の既往がある患者。血液培養でESBL大腸菌、というとまずは尿路感染を考えるが、尿からはESBL大腸菌の検出はない。

なら、CV感染か、とのことで、CV感染の線で考える。
通常CV感染はグラム陽性球菌が多い。大腸菌が出るということは、鼠径部からの感染などで、尿の汚染などがないとちょっとは考えにくい。ということで確認すると、CVは鼠径部に入っていたとのこと。なら、カテーテル感染で良いかもしれない。

ESBL産生菌をしっかり狙える抗菌薬かつ、発疹が出たとのことなので別系統の抗菌薬が必要かもしれない。

セフェムアレルギーは全部のセフェムだめ?

ある一種のセフェムでアレルギーがあるからといって、他のセフェム全部使用できないのか?。

答えは、そうではないようで側鎖の構造の類似性が関連しているといわれています。具体的には、セフトリアキソンやセフォタキシムでアレルギーがある場合は、7位の側鎖構造が似ているセフェピムやセフォゾプランは避けておいた方が良いです。が、セフメタゾールなら大丈夫かもしれません。

ESBL産生菌には何を使う?

次にESBL産生大腸菌がターゲットとわかったのですから、それに効く抗菌薬を考えなくてはいけません。現在投与しているセフォゾプランは感受性がないので、メロペネムなどカルバペネム系、セフメタゾールなどセファマイシン系、感受性あればバクタや、ホスホマイシンが使用可能という所です。

この中で絶対的な存在はカルバペネム系で、重症であれば迷う事なく選択です。しかし、カルバペネム系ばかり使っているとさらなる耐性菌が出来てしまうので、余裕がある時はセフメタゾールなど選択したい所ですが、今回は無理せずセフェム系でないホスホマイシンでもよいかもしれません。今回バクタは耐性でした。

今回の選択

主治医の先生と上記を踏まえて相談。カテーテル交換しているからか、抗菌薬の感受性はRだが、重症化している感じはないので、最終奥義のメロペネムまではまだ使わなくてよいとのこと。

セフェム系で発疹がでている状況で、他にも感受性のある抗菌薬がある状況で、無理してセフメタゾールでいく必要もないだろう、ということになり、感受性のあったホスミシンに変更して経過観察することになりました。

その後

順調に改善し、2週間投与して終了となりました。

ちなみに、ホスミシンはWHOのAWaRe分類で、Reserveに分類されている抗菌薬で、多剤耐性菌にも効果が期待できる可能性があります。なので、ESBL産生菌みたいなほかの選択肢がある状況で、ほいほい使っていくのもあまりよくないのかなぁ、と思います。

taku

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


コメントする