抗体カクテル(イムデビマブ /カシリビマブ)の運用

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コロナの新しい薬!

現在コロナ第5波真っただ中。次々と入院患者がやってきて、病床はひっ迫傾向、ワクチン接種者も感染。どんどん状況が悪化している最近です。デルタ株は本当に恐ろしい。これを読んでいる方もワクチンを打っているからといって油断せずに、そのほかの防護(マスク、手洗い、ゴーグル、密をさける)を徹底して防御力を高めてほしいと思います。

今日は大分めんどくさい軽症者用COVID19の薬である、商品名ロナプリーブ(イムデビマブ /カシリビマブ)の運用について現時点での対応策を書いていきたいと思います。

何がめんどくさいか

  • 1セットが二人分である。
  • 在庫できない。
  • 専用サイトで患者の報告が必要。
  • コロナにかかったら誰でも打てるわけではない(条件あり)。

実際の処方

現在流通しているものは、ロナプリーブセット 1332という名前ですが、その包装の中には、イムデビマブ11.1mlとカシリビマブ11.1mlが入っています。抗生剤が2本入っているようなイメージです。それをそれぞれ5mlずつ取り生理食塩水に混ぜて1人に1回点滴します。11.1mlから5mlとるので、6.1ml余ります。これは二人目の分です。つまり1セットには二人分入っていますまた、毎日投与するような薬ではなく、1発打って終了です

実際のオーダー例、

ロナプリーブ1332 1キット
生食       100ml
30分で
コメント:イムデビマブ5ml、カシリビマブ5mlを使用し、残液ある場合はすぐに冷蔵庫で保管

冷蔵庫から出して20分たってから、生食に混合
0.2μmのインラインフィルターを通す

生食50mlに混ぜたり、60分かけても問題なさそうです。

保管に注意

1回分の溶液を抜き取った後のバイアルは、室温(25℃まで)で最大16時間、又は2~8℃で最大48時間保存可能となっています。生食に混ぜてしまった場合は、25℃で4時間、2~8℃36時間です(メーカー確認)。

ウチの職場では、残液が出る場合は看護師が1回目に使用した時間をバイアルにマジックで直接書くことにしました。また、管理表を作って薬剤師も毎日残数を確認することにしています。

発注は、患者が来れば請求して届けてくれるシステム

普通の薬は、必要そうな分を薬剤部が卸に発注し、在庫する。そして、オーダーが来て払い出す。という仕組みですが、この薬はコロナ用で厚労省が現在数を管理しており、通常の薬の発注とは別ルートで、適格者が来る→発注する→翌日届く、という仕組みです。なので、当院では、

  1. 適格者が入院
  2. コロナチームの医師または看護師から薬剤師に使用の連絡
  3. 薬剤師が発注
  4. 翌日入庫、払い出し、点滴する。
  5. 残液は病棟で管理、病棟薬剤師も毎日在庫チェック
  6. 二人目の適格者が来れば、薬剤部は生食とラベルだけ上げる。看護師が残液を混合して点滴する。

というような流れにしています。
今後おそらく在庫しても良いようになると思うので、在庫分を使用し、あとで頼んで補充するというような流れになるのではないでしょうか。また、ロナプリーブ300というもう少し小さい規格のものが流通するようになれば、普通の点滴と同じように扱えると思います。

注意点!

  • イムデビマブだけ投与しちゃった。
  • 二回分一人の人に投与しちゃった。
  • 残液を捨ててしまった。
  • 残液の期限が切れたものを使った。

これらはあらかじめ想定されるミスなので、ないようにしっかり薬剤師が介入したい所です。

参考:投与の条件

症状発現から7日目まで
かつ
重症化リスクを有していること=入院していること

重症化リスク

・50 歳以上
・肥満(BMI 30 kg/m2 以上)
・心血管疾患(高血圧を含む)
・慢性肺疾患(喘息を含む)
・1 型又は 2 型糖尿病
・慢性腎障害(透析患者を含
む)
・慢性肝疾患
・免疫抑制状態
・高血圧
・脂質異常症
・喫煙            など 

まとめ

  • ロナプリーブは現在の所1332セットが流通しており、1セットが2人分である。
  • 現在の所ストックはできない、用事発注の薬である。
  • 一人分を調整後48時間までならば、もう一人分を使用可能。
  • 使用には一定の条件を満たした適格者である必要がある。
  • これらの使いにくさは、いずれ解消される、と思われる・・・(期待をこめて)。

ちなみにCDCによると、ロナプリーブ使用後はコロナワクチン接種まで90日あけることを推奨、だそうです。

taku

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