効いてるはずなのに発熱
本日の相談
腎盂腎炎で、血液培養、尿培養大腸菌。セフメタゾール、タゾピペとescalationし、セファゾリンにDe escalationしたがまだ熱が出てる方。何か良い案がないか?。
状況確認
発熱は38℃と続き、白血球やCRPは高いまま。が、患者さんは、熱以外のバイタル安定しており、意識レベルも問題なし、比較的除脈で案外ケロっとしている。
こんな時、効いてない→メロペネム!、なんてするのはよくありません。
どうするか
比較的除脈で発熱だけ、患者さんは案外ケロっとしている時は、薬剤師的には薬剤熱を考えたい所です。抗菌薬変更で熱や高CRPは時々あります。薬剤熱はどんな薬でもありますが、抗菌薬は特に薬剤熱が多い部類に入ってくる薬です。今回はペニシリンとセフェムで発熱だったので、非βラクタム系にしてみることになり、escalationすることにもなってしまうが、ミノマイシン選択となりました。
どうなったか
抗菌薬変更後、解熱、CRP低下を期待したが、悪化はないが、WBC1万以上、CRP10程度と横ばい、熱は38度はでなくなったが、37度台とすっきりしない感じ。
こうなると薬剤熱でもなさそうです。
不明熱の鑑別が始まりました。癌や、自己免疫疾患、薬剤性、偽痛風、CD腸炎などなど。
結果、膝の痛みが判明し、偽痛風の可能性もでてきて、NSAIDS投与した所、徐々に白血球やCRPもデータが改善しました。
今回のまとめ
当たっているはずの抗菌薬投与中、発熱、高CRPあり、薬剤熱も疑って抗菌薬変更などしたが、すっきりよくならず、偽痛風も疑って、NSAIDS投与したところ改善したという例でした。実際の所、抗菌薬変更が有効であったのか、NSAIDSが効いたのかははっきりしませんが、安易にどんどん抗菌薬を変更や追加をしなくてよかったと思いました。