臀部に膿瘍?があります

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本日の相談

60歳台の透析の患者なんですが、発熱やCRP上昇があり、抗菌薬を開始しようと思っている。調べた結果臀部に腫瘤があるので、それによる発熱の可能性を考えている。抗菌薬はセファゾリンを選択しようと思いますが、投与量が大丈夫かと、そのほかおすすめの抗菌薬があれば教えてほしいです、とのこと。

フォーカスなど整理

透析患者、糖尿病あり。
入院して点滴した方がいいかもしれないが、本人の強い希望で外来治療を選択となっている。まぁ、2日に1回病院に来るから、頻繁に見れるけど・・・。
おしりを掻いたりして菌が入ったのかも?。
透析患者なので病院には来ているが、直近で入院歴や抗生剤治療、培養とったりはなし。血液培養はとられているが、状態はそこまで悪くないので陽性にならないかもしれない。

考えたこと

膿瘍であれば、抗菌薬よりもドレナージなど外科的処置が必要になってくる。しかし、現時点でそこまでする予定ではないので、考えられる菌に対して十分なスペクトルの抗菌薬のカバーをして、十分な量が必要だろう。

起炎菌について推定すると、皮膚からの感染だから、グラム陽性球菌をまずは考える。また、場所は臀部なので排泄物での汚れも多少あるかもしれない、だから大腸菌など想定して、グラム陰性桿菌や嫌気性菌もいるかもしれない。

セファゾリンで、グラム陽性球菌と大腸菌は耐性でなければいける。

投与量はサンフォード量で1~2g、24~48時間ごと(透析後に0.5~1g追加)と、幅のある書き方だ。

この患者さんは透析日のみしか点滴できないので、セファゾリンは2g透析後はこれで良いと思う。非透析日はなくてもいいかもしれないけど、時間依存性の抗菌薬なんで、本当は点滴する方が良い。もうひと押しという所で、クリンダマイシンの併用なんかはどうだろうかと考えた。

クリンダマイシンの特徴

  • 嫌気性菌やグラム陽性球菌がターゲット
  • 組織移行性は良好、骨移行性も良い
  • 作用としては静菌的
  • βラクタムアレルギーのある患者の周術期抗菌薬に使う
  • 投与量は、1回600mg、6時間から8時間ごとに投与
  • 内服での添付文書上の最大量は1回300㎎・8時間ごと。
  • 腎機能で減量の必要なし

クリンダマイシンを足すことで、嫌気性菌や市中MRSAもカバーできる可能性が出てくる。ただ、リスクとしては、クリンダマイシンはCD腸炎を起こすリスクが高まるかもしれない。

どうなったか

主治医の先生と相談し、透析日は透析後にセファゾリン。それと別でクリンダマイシン1回300㎎1日3回内服で様子を見ることになった。結果、1週間後の採血データ(白血球、CRPなど)は著名に改善しました。血液培養はやはり陽性にならず、起炎菌は不明。セファゾリンとケフラールは2週間投与。クリンダマイシンは1週間投与し、特に副作用もなく終了となりました。ドレナージなどは希望されなかったが、幸いにもその後再発はありません。

taku

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