看取りの人の何らかの感染

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本日の相談

今回は、療養病棟の80代後半、寝たきり+消化管出血もありそうだが、精査はしないという看取りの患者さんの発熱で抗菌薬相談。看取りなら抗菌薬もういらないのでは?とちょっと思うのですが、抗菌薬くらいは入れて、もしよくなればよかった~って心理があるのです。

感染症診療の原則

感染症診療の原則は・・・

  • 患者背景の整理
  • フォーカスの推定
  • フォーカスに対する起炎菌の予測
  • 抗菌薬選択
  • 適切な治療期間

ではあるのだが、このような看取りの人にどこまで検査をするのかいつも悩ましいところだ。

アセスメント

療養病棟の感染ということであれば、誤嚥か、尿路感染、カテーテル感染が主な所だ。主治医と相談し、まずは誤嚥と尿路に焦点をしぼって考えることになった。となると、喀痰培養と尿培養はとっておきたい。

抗菌薬は療養病棟=耐性菌多い、ということで、ESBL産生菌や緑膿菌のカバーを意識しなくてはいけなくなる。しかし、カルバペネム系やタゾバクタム/ピペラシリンのようなとっておきの抗菌薬は院内感染対策上そうポンポン使う薬ではない。ということで、それ以外でESBL産生菌や緑膿菌をカバーしている菌、となると当院のアンチバイオグラムからは、スルバクタム/セフォペラゾンが該当する。

SBT/CPZという薬

スルバクタム/セフォペラゾンという薬は、感染症の先生の中にはその存在自体中途半端でこの世に不要なのでは、と言われることもありますが、自分的には、セフメタゾールじゃ不安、でもメロペネムやタゾピペはいらない、っていう時に提案していることがあります。で、ある程度手ごたえはあります。

投与量に少し問題があって、日本の投与量が、標準量がスルペラゾンとして1回0.5~1gを1日2回となっていて、最大量が1回2g1日2回となっています。スルペラゾン1gにはスルバクタム0.5gとセフォペラゾン0.5g入っています。なので、1回1g1日2回としてしまうと、スルバクタムとして1回0.5g1日2回+セフォペラゾンとして1回0.5g1日2回の量となります。

サンフォードを見てみると、スルバクタム/セフォペラゾンという項目はありませんが、セフォペラゾンの投与量の項目があって、1回1~2g1日2回の投与量が書かれています。

つまり、セフォペラゾンとして1回1g1日2回の投与量が必要なのに、スルペラゾン1回1g1日2回では、その半分のセフォペラゾン1回0.5g1日2回しか入っていないことになります。

なので、自分が提案する時は年齢など問題ない時は、セフォペラゾンとして1回1g1日2回となるように、スルペラゾンとしては1回2g1日2回で投与してもらうことが多いです。

その後

翌週の検査で、採血で白血球、CRP、バイアルで発熱や血圧、脈なども著明に改善。血液培養でESBL大腸菌、尿からもESBL大腸菌が判明し、セフメタゾールにDe escalationし、合計10日間で終了となりました。

taku

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