バンコマイシンの投与速度は?

本日の疑問

バンコマイシンは60分以上かけて投与する。レッドマン症候群を予防するためである。

誰でも知ってることである。

添付文書では、1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する、と書かれている。

0.5gと1gって量倍違うけど、60分でいいの?。流速遅くしたら生食50mlでも行けるのか?。とか、思ってしまったので、調べてみた。

レッドマン症候群とは

バンコマイシンに特有の副作用で、典型的な症状は、顔面、頸部、および胴体上部に生じる紅斑性の発疹です。稀に、低血圧や血管性浮腫が生じることもあります。

昔はバンコマイシンに含まれる不純物のためにあると考えられていましたが、現在でも起こっているので、アナフィラキシーの一種で、肥満細胞からヒスタミンが放出されることによって、起こるとされる。また、症状の出現は、バンコマイシンの量と投与時間に関係しているとされる。

症状がでた場合は通常原因薬を中止して、必要あれば抗ヒスタミン薬の投与で軽快する。

バンコマイシンの時間と投与量を比較した文献

① https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2449506/

1000㎎/200ml 1時間で投与した人は11人中9人も、ヒスタミン濃度が上昇し、レッドマン症候群が発生したが、500㎎/100ml 1時間では1人も発生しなかった。

これは濃度が同じものなので、流速ではなく時間あたりの投与量が関係している結果だと思いました。生食何mlだろうと、500mgなら大丈夫だが、1000mgならリスクある。ということは、添付文書の1000g・1時間というのはちょっと危ない気がする。

ところで、11人中9人も起こるなんてめちゃくちゃやばい感じがしますが、感染症である人は、自然な免疫反応としてヒスタミンの放出を誘発しているとのことで、そもそもヒスタミン濃度が高いと、バンコマイシンのマスト細胞や好塩基球に対する作用が抑制されると考えれているので、この文献の結果がそのまま実際にあてはまるわけではないし、実際安全にバンコマイシンは投与できていることが多いです。

② https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1693055/

5%グルコースで総量200mlになるようにした場合、1000㎎を1時間で投与した人は10人中8人レッドマン症候群を発生したが、1000㎎を2時間で投与した人は、10人中3人であった。

1000mg投与する場合は、2時間かけた方がよさげ。

まとめ

バンコマイシン 500mgは1時間で投与、1000mgならば2時間の方が無難そう。
バンコマイシンを投与するときは、それなりに患者さんは感染症で命が危ない場面であることが多いと予想されるので、高い副作用リスクのある行為は避けたいです。

500mg・生食50mlでどうなったかとか、知りたいな~。もし見つけたらアップします。

参考サイトにしたサイトはこちら→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC270616/

taku

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


コメントする